【20代】在職中の会社で労働条件や手当を変更された場合のよくある質問
Q.勤め先の会社から一方的に手当をカットされてしまいました。これは違反になりますか?
A.合意なく一方的に手当をカットされた場合は違反となります。
労働契約法第9条により、会社側は労働者の合意なく労働条件を変更することは原則として禁止とされています。
たとえ会社が業績不振の場合でも、一方的な労働条件の変更は法律違反の可能性があります。
Q.会社の労働条件が不利益変更されるとはどういう状況ですか?また、労働条件の不利益変更が認められるのは、どんなケースがありますか?
A.労働者にとって労働条件が不利益に変更される状況を指します。
例えば、仕事内容は変わっていないのに手当がカットされるといった状況は、労働条件が不利益変更されることになります。
ただし、以下のようなケースの場合は労働条件の不利益変更が認められるでしょう。
【労働条件の不利益変更が認められるケース】
・労働者から同意を得た場合
労働者ひとりひとりに同意を得ることができれば不利益変更が認められます。
ただし、会社の就業規則で定められた労働条件を下回る条件での変更はできません。
・就業規則を変更する場合
原則として、会社の就業規則を変更するだけでは労働条件を変更することはできません。
しかし、就業規則の変更について労働者に告知し、内容に合意性が認められたら不利益変更をすることができます。
もし会社から労働条件の変更が知らされていない場合は法律違反に当たるでしょう。
・労働協約を締結する場合
会社の労働組合との間で労働協約※を締結すると、
労働者からの合意がなくとも労働条件を不利益変更することができます。
ただし、変更内容が労働基準法に違反している場合や、一部の労働者を不利益に扱う目的である場合は、労働条件の変更は無効となります。
※労働協約とは、労働条件や賃金といった労使関係に関する事項について、労働組合と使用者が取り交わす契約のことを指します。労働協約は、労使契約や就業規則よりも優先されます。
Q.在職中の会社から知らないうちに手当をカットされていました。どう対処したら良いでしょうか?
A.まずは法律に違反していないか確認しましょう。
問題があると判断したら、会社に相談することをおすすめします。
それでも対応してもらえない場合は、労働基準監督署に相談してみましょう。
Q.勤めている会社で手当のカットに同意するよう求められた場合、承諾する以外に対処法はありますか?
A.労働条件の変更について同意するよう求めらたらすぐに承諾せず、詳しい説明を求めると良いでしょう。
「手当カットの理由」「変更内容はどのくらいの期間有効なのか」など詳しい内容を説明してもらうことが大事です。
また、口頭で説明を受ける場合は
ボイスレコーダーで記録したり書面を控えることで証拠を残しておくこともおすすめです。
万が一、同意を強要させられた場合でも
証拠として残しておくと、場合によっては法律に違反した手当のカットを無効にできる可能性があります。
Q.在籍している会社の就業規則が変更されました。しかし、明らかに法律に反した内容です。どう対処したら良いでしょうか?
A.変更前と変更後の就業規則が分かる証拠を用意して、会社に請求すると良いでしょう。
すでに手当がカットされていても後から請求することは可能です。
もし就業規則が変更された証拠となるものが手元にない場合は弁護士や社労士に相談してみましょう。
また、会社が労働条件を変更するには、労働基準監督署での手続きが必要です。
手続きの際に、就業規則の変更が合理的ではないと判断されたら手当カットが違法だと認められるため、就業規則の変更は無効になる可能性もあります。
Q.勤め先の法定休日に出勤しました。この場合、休日出勤手当は受け取れますか?
A.会社の定めた法定休日に出勤した場合は、休日出勤手当を受け取ることができます。
労働基準法によって会社は労働者に最低でも週に1日、もしくは4週に4回の法定休日を与えなくてはいけません。
会社は法定休日に出勤した労働者に、基本賃金の1.35倍の休日出勤手当を支払う義務があります。
Q.深夜勤務で時間外労働が発生しました。この場合、両方の手当が賃金に上乗せされますか?
A.深夜労働手当と時間外手当の両方を受け取ることが法律上で義務付けられています。
時間外労働に関しては、労働基準法で定められている「1日8時間」の労働時間を超える場合は、
基本賃金の1.25倍の時間外手当が支払われます。
企業によってはみなし残業代として支払われる場合もありますが、みなし残業代を超える労働が発生した場合は別途で手当の支給が必要です。
また、労働基準法によって「22時~翌5時まで」の時間帯の労働に対して深夜労働手当が支払われることが義務付けられています。
この場合、基本賃金の1.25倍の深夜労働手当が支払われます。
そのため、深夜労働かつ時間外労働が発生した場合は、どちらかの手当がカットされていないかきちんと確認しておきましょう。
Q.会社から任意で支給されている手当が連絡なしに減額されていました。この場合、法律で義務付けられていないので同意するしかないのでしょうか?
A.法律で義務付けられていない任意の手当でも、会社からの告知や労働者の合意なしで減額された場合は無効となる場合があります。
一般的に会社が任意で支給している、法律で定められていない手当として以下のようなものがあります。
・役職手当
・家族手当
・住宅手当
・出張手当
・通勤手当
・資格手当
任意で支給されている手当でも、減額・廃止される場合は基本的に労働者全員の合意がなければ認められません。
すでに手当がカットされていても後から請求することは可能ですので、一度会社に詳しい説明を求めて、その上で同意するかどうかを判断しましょう。
ただし、このように一度会社に対して不信感を覚えてしまうと、本当にこの会社で働き続けて大丈夫なのかな…と不安な気持ちになってしまうかもしれません。
もしあなたが会社に対して少しでも懸念やミスマッチを感じているのであれば、一度プロのキャリアアドバイザーに仕事や会社に関する悩みを話してみることも一つの手段です。
また、働き方や職場環境についてプロに詳しく話を聞いてほしいと感じていたら、あなたに合った解決策を見つけるためにまずは相談してみてくださいね。
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