同調性バイアスがキャリア採用でも悪影響？「自分は大丈夫」だと思っていると…
「事故多発地域だけど、自分に限ってそんな問題は起こさないだろう」
「上司がケアレスミスの注意喚起をしてたけど、これまでもなかったんだから自分は大丈夫だろう」
「まさか自分の失敗で問題が起こることなんてないだろう」
「万引きが多くなっているけど、まさか自分の担当時に処理することなんてないだろう」…。
あなたは仕事中、こんな「まさか～～だろう」と問題をスルーしたことはありませんか？
このように「自分だけはそうはならない」と感じることは、緊張感から安心を得るための精神的な作用と言われています。
いわゆる「正常性バイアス」ですね。
この正常性バイアスは危険なサインがいくつもあったのに「そんなわけない」「自分に限って」と見てみぬふりをしてしまうのです。
一部の交通事故や山岳での遭難など、この正常性バイアスが原因で「危険かもと感じていたけど引き返さなかった」要因なんです。
さて、危険な道路や山ではありませんが、実は働く上でもこの正常性バイアスを侮っては危険です。
なぜなら、就職・転職時に
「私が今の部署に入って一週間もたたずに、新卒が【ヤバイ会社認定】して辞めちゃった…」
「何か上司が乱暴だし、ものや部下に当たってて怖いなあ」
「もしかして、この会社おかしい？でも、社会ってこんなもんじゃないのかな…」という
会社の独自ルールや精神論など、人によって「この仕事マズイ」と思わせるポイントは多々あるからです。
特に、就職や転職での出勤初日で発覚したらショックですよね。
もしかしたら、あなたも「これ、もしかして正常性バイアス？」というような同じ悩みや不安を抱えたまま仕事を続けていませんか？
これって正常性バイアス？人力で負担全振りや同調圧…この働き方どうなの？となる瞬間
「はじめからExcelを使えば、一瞬で計算が出来るのに、なんでうちの会社は電卓で計算するんだろ…」
「いちいち電話するんじゃなくて、メールやチャットでやり取りした方がレスポンスが早いのに」
「はんこ文化健在すぎて…上司の印にお辞儀印しないと説教だし…時間のムダ！」
あなたは仕事をしていて、こんな苦痛を感じたことはありませんか？
確かに、効率化を進めるための機械やソフトの導入は初期投資が必要になるので、すぐに取り組めるものではありません。ですが、ただひたすら作業を増やしてしまっている業務が負担になっているのなら改善する必要は当然ありますよね。
企業によっては、休暇や有給休暇を取るためにも、手書きで申請用紙を印刷して理由を記載して、さらに上司3人にはんこを貰わなくてはいけない…なんてルールもあるのだとか。
ですが、ムダと感じる作業でも、企業によってルール化されていると「非効率です！」のひと言で覆すことはカンタンではありませんよね。
もしあなたが労力を尽くし、効率性を無視する職場にいたとしたら、どうですか？
改善する必要があると感じますか？それとも、「仕方ない」と受け入れますか？
そもそも、良い労力なんて無いってほんと？
「あの人は辛い思いをして、やっと金メダルをとれたんだね」
「誰よりも努力して苦労しているから、オリンピック選手になれたんだよ」
成功しているアスリート、そしてベンチャー企業としてゼロから起業した企業家は、「労力」を費やしたと思いますか？
あなたは、「はい」「いいえ」のどっちだと思いますか？
もし、「もちろん、答えは【はい】。だって労力を費やしたから成功したんだ」と答えたとしたら…もしかしたら違うかもしれません。
なぜなら、必ずしも労力を費やしたからステップアップしたわけではないためです。
楽しみながら経験を積んだことでスキルを獲得したとしたら、それはその人にとって「労力」ではなく「必要なプロセス」になります。
もっと言えば、「遊びの延長」かもしれません。
トレーニングや経済活動は「苦しくて辛いもの」ではゴールまで到達のハードルははるかに高くなる傾向があります。
ですが、自分にとって楽しいことだからこそ続けることを可能にします。
例えば、有名YouTuberになるために必要な要素の1つとして、「毎日必ず動画をアップする」というものがあると言われていますよね。
ただ、「有名になりたいから」「広告費のお金を稼ぎたいから」という気持ちだけでスタートするとコンテンツも充実しませんし、バイトをするより、いわゆるコスパが悪くなりかねません。YouTuberのHIKAKIN氏が寝る間を惜しんで動画編集をする様子はまさに「終わりのないマラソン」と称されるほどです。
ですが、成功したYouTuberとして挙げられるHIKAKIN氏の場合、「何より配信が楽しい」「動画を編集することが好き」という気持ちを持つことが基礎にあると言われています。
つまり、HIKAKIN氏にとっての配信のように、仕事でも自分にマッチした道を選ぶことが出来れば、そもそも労力を費やすというものではなくなります。さらにそんなHIKAKIN氏の前向きで、視聴者とコミュニケーションをはかる姿勢が好感度に通じ、動画の視聴率がさらに上がるという良い循環を生んでいるとも言われていますよ。
マッチした仕事をしているのなら、いくら努力しても楽しいですし成果が出ればもっと頑張ろうとなるわけですね！
限られたあなたの労力を浪費しないために一歩踏み出そう
もしも、あなたが今「辛いけど、頑張らなきゃ」と感じているとしたら、注意すべき状態かもしれません。
特に喜びや実感ではなく苦痛に感じているのなら、あなたの貴重な人生のリソース（資源、時間）を奪ってしまいます。
確かに成長や実績を積むことはできますが、興味を持っていたり、長時間取り組める特技ならそれ以上の成果を得られる可能性があるためです。
しかも、「苦労をしろ！」と言う環境は必要以上のタスクをあなたに課し、取り組ませて当たり前としている場合も考えられます。
繰り返しになりますが、あなたに必要なスキルは楽しむことでも身に着けられます。
スキルの「成長」を目指すなら、マッチした場所を見つけてくださいね。
もし、今すぐにでもあなたが自分に本当に合った仕事を楽しみたいと感じているなら、すぐにでも行動を起こした方が絶対に良いです。
なぜなら、行動を起こしたいと感じているということは、もうあなたの中で「今の苦労」の限界を感じているから。
解決出来ないモヤモヤを抱えることは精神的にも安心出来ず良い状態と言えません。
まずは現状をキャリアアドバイザーに相談して、本当に進みたい道を見つけることが大切です。
ある程度の我慢や妥協など、従業員として働く以上は折り合いをつけなければいいけないかもしれません。
ですが、もしあなたが入社初日や初出勤日に関わらず「これは失礼だ」「これは不当だ」と感じるようなことがあって、心を傷つけられたと感じているのなら、我慢し過ぎずにいることも忘れないでくださいね。
もし今の状況に少しでも違和感を感じている場合は、迷わず違う環境へ踏み出すことを忘れないでくださいね！
