転職時の確定申告・年末調整に関するよくある質問

Q.会社で年末調整の書類を渡されました。年末調整とは何ですか?
A.年末に所得税額を調整する手続きのことです。
会社に勤めている場合、会社が社員の年間の所得税額を代わりにまとめて税務署に納めることになります。
あらかじめ毎月の給与からは所得税が引かれていますが、生命保険料や住宅ローンなどの控除を含めた所得税額の調整を行うために必要な手続きです。
このとき、1年間に納めた税金を払いすぎている場合は還付され、不足している場合には徴収されます。

Q.フリーランスから会社員に転職しました。会社で行われる源泉徴収とはどういう意味ですか?
A.会社が社員に支払う給与からあらかじめ所得税が差し引かれていることを指します。
年間の所得が会社の給与のみの場合、所得税額を自分で計算して納める必要はありません。

また「源泉徴収票」とは「会社が社員に支払った給与と源泉徴収した所得税額」を証明する書類のことを指し、以下の2種類があります。
〈給与所得の源泉徴収票〉
1年間に支払った所得税額が記載されており
年末調整後に会社から発行されます。
〈退職所得の源泉徴収票〉
退職手当として支払われた額と
そこから天引きされた所得税が記載されており
退職手当が支給された場合に発行されます。

源泉徴収票は転職時の手続きで提出を求められますので無くさないようにきちんと管理しておきましょう。

Q.転職して会社に勤めていても確定申告をする必要はありますか?
A.基本的にフルタイムで会社に勤めている場合、確定申告は不要です。
自分で確定申告を行う代わりに会社が源泉徴収して年末調整を行います。

ただし以下のような条件に当てはまる場合は確定申告をしなくてはいけない可能性があります。
・給与所得が2,000万円を超える場合
・年の途中で退職した場合
・会社の給与以外に所得がある場合

もし確定申告の手続きが必要かどうか不安な場合は税務署に相談してみることをおすすめします。

Q.確定申告の手続きはどのように進めたら良いですか?
A.以下のように手続きを進めると良いでしょう。
原則として毎年2月16日~3月15日までの期間内に確定申告を行います。
また、確定申告には以下の3パターンの申告方法がありますので、あなたの進めやすい方法で早めに手続きを済ませるようにしましょう。

■税務署・確定申告会場に直接提出する
税務署・確定申告会場に用意してある確定申告書を記入します。
また、国税局のサイトで確定申告書を作成して印刷しても大丈夫です。

■税務署に郵送する
確定申告書を郵送する場合は「信書便物」として送付しましょう。
このとき3月15日の消印があれば申告期限を過ぎて税務署に届いた場合でも有効となります。

■電子申告システム「e-Tax」で申告する
マイナンバーカードとカードリーダを持っていればネット上で確定申告書を提出することが可能です。

また、確定申告書にはAとBの二種類ありますが、一般的に「確定申告書B」を使用すると良いでしょう。
手書きの場合、記入ミスは修正液ではなく、二重線で消して余白に正しい内容を記入しましょう。

Q.確定申告の手続きにはどんな書類が必要ですか?
A.以下のような書類を用意しましょう。
・本人確認書類(マイナンバーカード)
・確定申告書
・印鑑
・銀行の口座番号がわかるもの
・所得を証明できる書類
(源泉徴収票、支払調書、土地の譲渡時の売買契約書など)
・控除を受けるための証明書類
(医療費の領収書、保険料控除の証明書など)

※マイナンバーカードがない場合は以下の2種類の書類を用意しましょう。
・番号確認書類:マイナンバー通知カード、または住民票
・身元確認書類:運転免許証、パスポートなど

また、退職後の状況によって必要な書類は異なりますので、分からない場合は税務署に相談してみると良いでしょう。

Q.転職時に自分で確定申告を行う必要はありますか?
A.以下のようなケースは自分で確定申告を行う必要があります。

■退職してから年内に再就職をしなかった場合
一般的に年末調整は11月下旬〜12月上旬に行われますので、この時期に会社に所属していない場合は翌年に自分で確定申告をする必要があります。
この場合、退職した会社で発行してもらった「源泉徴収票」が必要です。
【例】9月に退職し、翌年1月に再就職する

また、再就職をしていない場合は所得税を払いすぎている可能性がありますので、確定申告をすると所得税が還付されるかもしれません。
還付申告の期限は退職した翌年から5年以内ですので、できるだけ早く手続きを済ませるようにしましょう。

■源泉徴収票の発行が間に合わない場合
源泉徴収票が交付されたら、翌年に確定申告をする必要があります。

■フリーランス・個人事業主から会社員に転職した場合
転職先に入社してからの所得税は年末調整で精算できますが、フリーランス・個人事業主の時の所得は翌年に自分で確定申告をしなくてはいけません。
ただし、当時の所得が20万を超えない場合は確定申告を行う必要はありません。

Q.退職後、年内に再就職した場合は確定申告をしなくても大丈夫ですか?
A.はい、確定申告をしなくても大丈夫です。
退職してから年内に再就職して12月の給与が支給された場合は転職先の会社で年末調整を受けることができますので、自分で確定申告をする必要はありません。
退職時に発行してもらった「源泉徴収票」を転職先の会社に提出しましょう。

ただし、副業の収入など転職先の給与以外の所得があると確定申告が必要な場合がありますので注意しましょう。

Q.年内に2回転職した場合、確定申告はどのようにしたら良いですか?
A.現在在籍している会社で年末調整の手続きを行います。
年内に複数回転職をした場合は、転職した会社すべての「源泉徴収票」が必要となりますので
もし手元にない場合は早めに勤めていた会社に連絡を入れて発行してもらいましょう。

Q.転職後も副業をしている場合は自分で確定申告をしなければいけませんか?
A.副業の収入が年間で20万円を超える場合は、転職先での年末調整とは別に自分で確定申告をしなければいけません。
この場合、手続きには本業と副業の源泉徴収票が必要なので忘れずに用意しましょう。

また副業が20万円を超えない場合、確定申告は不要ですが、あなたの住んでいる市区町村の役所に所得を申告して、それに応じた住民税を支払う必要がありますので忘れずに行いましょう。

Q.転職時に引っ越しをした場合、年末調整ではどちらの住所を記載すれば良いですか?
A.引っ越し後の新しい住所を記入しましょう。
会社が年末調整をした後、翌年の1月中に役所へ提出しますので、翌年の1月1日時点での住所を記載する必要があります。
【例】
2021年の年末調整をする場合、2022年1月1日時点の住所を記入する
また、12月に引っ越す予定で住所が決まっていない場合は、年末調整時の段階では現住所を記入しておき、翌年の1月末までに引っ越し先の住所を会社に報告しましょう。
役所で手続きを行う前に住所の修正が間に合わないと、自分で確定申告をして修正しなくてはいけなくなりますので、引っ越し先の住所が決まったらすぐに会社に連絡しましょう。

Q.転職先の会社に源泉徴収票を提出しなくてはいけないのですが、退職した会社に連絡しても源泉徴収票をもらえない場合はどうしたら良いですか?
A.税務署や労働基準監督署に相談しましょう。
会社は退職者に源泉徴収票を交付する義務があります。
もし税務署や労働基準監督署に相談しても解決できない場合は、あなたが住民登録をしている市区町村の税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出しましょう。

また、源泉徴収票が手に入らない場合は
給与明細の提出で確定申告が認められることがありますので、前職の給与明細は保管しておくと良いでしょう。

Q.転職後に確定申告を忘れてしまい、申請の期限を過ぎてしまいました。この場合に罰則などはありますか?
A.確定申告の書類などの提出期限を過ぎた場合は罰則があります。
一般的に自主的に申告した場合などは、確定申告の書類などの提出期限を過ぎた場合は罰則があります。
ただし一定の条件を満たせば「無申告加算税」が免除される場合もありますので、できるだけ早く管轄の税務署に問い合わせましょう。

もし故意に確定申告を怠った場合は「重加算税」となり、さらに重たいペナルティを課されてしまいますので気づいた時点で自己申告することが大事です。

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