転職後の試用期間に関するよくある質問

Q.試用期間とは何ですか?
A.本採用前に採用者の勤務態度や能力を評価し社員としての適性を判断する期間のことを指します。
労働者にとっても、会社が自分にマッチしているのか検討する期間だと言えます。
多くの企業で試用期間が設けられており入社後1ヶ月から6ヵ月程度の期間が一般的です。
試用期間を設けた場合は、その旨を必ず労働契約書や労働規則に記載しなければいけません。

また、法律上2週間前に退職の意志を伝える必要がありますので、試用期間中だからといって労働者が即日退職したり企業が正当な理由もなく労働者を解雇することはできません。

Q.試用期間中でも給与は変わりませんか?
A.企業によっては変わる場合があります。
試用期間中は、一般の社員よりも給与が低い場合がありますので、まずは労働条件を確認してみましょう。

また、試用期間中の給与が勤務先の都道府県の最低賃金を下回っていないか必ず確認することが大事です。
もし最低賃金より低い場合は、まず企業に相談しましょう。
それでも改善の見込みがなければ労働基準監督署に相談してみると良いでしょう。

Q.試用期間中でも社会保険に加入できますか?
A.はい、加入できます。
基本的には試用期間中も社会保険に加入する義務があります。

ただし、以下に該当する場合は、試用期間か否かに関係なく社会保険の適用対象外となります。
・1か月以内の期間で使用される日雇労働者
・2か月以内の期間を定めて使用される人
・4か月以内の季節的業務に使用される人
・事業所で所在地が一定しない使用される人
・臨時的事業に6か月を超えない期間使用される人
・一般社員の労働時間・労働日数の4分の3未満しか働いていない場合

上記に該当しないのに社会保険に加入できない場合は年金事務所に相談してみましょう。

Q.試用期間を延長されることはありますか?
A.延長される可能性もあります。
一般的に試用期間の延長が認められる条件は以下の通りです。
・就業規則や雇用契約書に試用期間の延長に関する記載がある
・試用期間を延長するにあたる客観的、合理的な理由がある
・企業側からの試用期間を延長する事前通知と労働者側の合意がある

【合理的な理由の例】
・試用期間中の勤務態度に問題があり、反省の意を判断するため
・入院などのやむを得ない理由により出勤日数が少なく、適性を判断するのが難しいため
・経歴詐称が判明したため

しかし「低賃金で雇える期間を伸ばしたいから」といった企業の一方的な理由などでは延長は認められていませんので、延長の通知を受けた際はきちんと理由を確認しましょう。

Q.試用期間中に解雇されることはありますか?
A.解雇される場合もあります。
試用期間中は通常よりも広い範囲で解雇の許容範囲が認められていますが、下記のような理由がない限り、企業は試用期間中の労働者を解雇することはできません。

【試用期間中の解雇が認められる例】

・欠勤・遅刻・早退が多い
体調不良や通院といった理由や、1度~2度程度の遅刻や欠勤では解雇が認められる可能性は低いでしょう。
ただし正当な理由もなく欠勤・遅刻・早退を繰り返したり指導されても改善しない場合は解雇が認められる可能性もあります。

・勤務態度が悪い(遅刻・欠勤が多い、上司の指示に反発するといった行為)
注意・指導をされても改善しない・その指示にも反発するという場合は解雇が認められる可能性があります。

・経歴詐称
内容によっては解雇は無効と判断されることもあります。
一般的に「学歴」「職歴」「犯罪歴」は重大な経歴詐称と判断され解雇が有効になりやすいと言われています。
また、必要資格や免許の取得を偽って業務に支障をきたす場合も解雇される可能性があるでしょう。

【試用期間中の解雇が認められない例】

能力不足
仕事をこなせるようになるためには試用期間では不十分だと言えますし、能力が不足している場合はきちんと教育が行われるべきだと判断され解雇は認められない可能性があります。

基本的に企業が労働者を解雇する場合、30日前に予告するか、解雇予告手当を支払う義務があります。
ただし入社後14日以内の場合は解雇予告なしで解雇することが可能ですので注意しましょう。
また、試用期間終了後に本採用されなかった場合も解雇にあてはまります。

Q.試用期間終了後に本採用を拒否されたら、どうしたら良いですか?
A.解雇理由証明書を発行しする手続きを行います。
正当な理由であるかどうか確認するためには、労働者は解雇の理由が記載された証明書の発行を行う必要があります。

もし本採用を拒否された理由に納得できない場合は
労働組合・労働基準監督署・弁護士に相談してみることをおすすめします。

Q.試用期間中に企業との間でトラブルが発生した場合、どうしたら良いですか?
A.まずは企業の労務担当者に相談すると良いでしょう。
それでも解決しない場合は、労働基準局に相談しましょう。
また、労働審判や民事裁判での解決を希望する場合は、金銭的な負担が発生することを理解した上で検討してみてください。

Q.試用期間中にも残業は発生することはありますか?
A.企業によって、必要に応じて残業を行う可能性もあります。
試用期間中であっても残業を命じた場合、
企業は残業代を支払う義務があるので
給与明細を受け取ったら必ずすぐに確認しましょう。

Q.試用期間中に退職できますか?
A.退職は可能です。
ただし、試用期間中であっても即日退職はできないため退職の手続きは社内規定に沿って行い
最低でも2週間前には退職の意思を会社に伝えましょう。

また、退職理由に会社の不満を挙げることは避け
「イメージしていた雰囲気と実際の雰囲気に違いがあった」など、あくまで自分には合わなかったという伝え方をすると良いでしょう。

Q.試用期間中に転職活動をしても大丈夫ですか?
A.試用期間中であっても転職活動をしても問題ありません。
ただし入社後すぐに転職する場合、早期退職となり
応募した企業からはまたすぐ辞めてしまうのではないかと感じられてしまう可能性がありますので
よく考えてから転職活動を行う必要があります。

Q.試用期間中の転職活動は良い印象ではありませんか?
A.必ずしも良くない印象を与えてしまうわけではありません。
転職活動の際、理由を問われた際にはあなたの率直な意見を簡潔に答えましょう。

もし退職理由の伝え方や職歴書の書き方に不安がある場合は、自己分析を行ったり、転職エージェントサービスを活用することをおすすめします。
特に転職エージェントサービスの場合、あなたの代わりに退職理由を応募企業に説明してもらえたり詳しい履歴書の作成もサポートを行いますので、効率よく転職活動を進めることができますよ。

Q.試用期間中に会社の一方的な都合で解雇された場合、転職の面接で退職理由をそのまま話しても良いですか?
A.会社の一方的な都合で解雇された場合はそのまま伝えて良いでしょう。
ただし、事情を伝える際はなるべく柔らかい表現を使い、退職した企業に対するネガティブな印象を話すことのないよう注意しましょう。

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